オリジナル小説サイトです。
主にファンタジー、恋愛などです。
× [PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
おぉ、という野太い声で構成されたどよめきを一切無視して、アルはバルアに水袋を押し付ける。
呆気に取られたバルアは無言でそれを受け取る。 「アルヴィは無駄に気前が良いんだから!」 頬を膨らませ、怒るサザにアルは渋面を向けた。 事の大きさがちっとも解っていない。 今や水一つで人を殺すのだ。 サザに氷室を管理させたのが間違いだったのだ。 アルはバルアに向き直る。 バルアは片眉を器用に吊り上げ首を傾げた。 「バルア。あんたに頼みがある。」 「アルが俺に頼み事か?明日は槍が降るか」 じろり、と睨みアルは口を開く。 「この馬鹿に任せたら孤児達が干からびるからな。」 「?干からびるって、大事だな」 まさしく大事なのだ。 サザは自分の欲望に忠実すぎる所があった。 自分の言うことを聞かない奴には徹底して嫌がらせをしてきた。 孤児院でのあだ名は 『暴君サザ』 これほど素晴らしく、ぴったりなあだ名はないだろう。 「せっかくここを出る時に作った氷室をたった3年でサザは台なしにしたんだ。」 氷室、と言う単語にバルアは眼を光らせた。 アルはバルアが食いついた事に内心ほくそ笑み、言葉を続けた。 次へ PR |
カレンダー
フリーエリア
最新CM
最新TB
プロフィール
HN:
水川智洋
性別:
非公開
ブログ内検索
P R
|